音楽で人を幸せにする

音楽とは

音楽とは、音響現象のさまざまな特性を秩序だてながら使い分けて、一定の時空間のなかに繰り広げる人間の芸術的活動の所産である。身体や物体を利用して構築されるこの音響世界は、社会的存在として人間が送る生活のなかに有機的に組み込まれて文化的な意味や価値が与えられ、状況に応じて社会的機能を果たすのである。

と記されていますが、少し難しい表現ですね。しかし、音楽は人間社会の中で必要不可欠であるということはわかっていただけると思います。

音楽と感情

音楽を奏でる人も、聞いている人も音楽は感情と深く関りがあることを感じています。

たとえば、2013年に発表された研究では、悲しい音楽を聴くことで、聴衆の脳内には前頭前野や扁桃体、腹側被殻などの領域が活性化され、悲しみの感情が引き起こされることが報告されています。また、同じく2013年の研究では、喜びや興奮を感じさせる音楽を聴くことで、ドーパミンという神経伝達物質が放出され、快感や幸福感を感じることが報告されています。

悲しい時・・嬉しい時・・力が欲しい時・・人は音楽を聴きます。

演奏者も感情を音楽に移入しそれを表現しようと強弱をつけたり、ビブラートをかけたり、身体を動かしたりしますよね。

音楽によっては、感情を調整する効果もあることが研究によって示されています。たとえば、2011年に発表された研究では、悲しい音楽を聴くことで聴衆の悲しみが緩和されることが報告されています。同様に、不安やストレスを感じている人がリラックスした音楽を聴くことで、リラックス効果が得られることが研究によって示されています。

私たちは確かに音楽から感情を揺さぶられ演奏者の意志を受け取るのです。

とっても不思議ですよね！！

音楽療法のエビデンス

音楽療法は、音楽を用いて身体的、精神的、社会的な健康の改善を目的とした療法です。音楽療法に関するエビデンスは、以下のような研究に基づいています。

ストレス軽減効果のエビデンス音楽を聴くことで、ストレスや不安を軽減する効果があることが多くの研究で示されています。たとえば、2013年のメタアナリシスでは、音楽を聴くことがストレスや不安、うつ病の症状を軽減することが確認されています。
認知機能改善効果のエビデンス音楽を聴くことや演奏することは、認知機能にも良い影響を与えるとされています。たとえば、2018年に発表された研究では、高齢者に音楽療法を行った場合、記憶力や言語理解力の向上が見られたと報告されています。
緩和ケア効果のエビデンスがん患者や末期患者に対して音楽療法を行うことで、痛みの軽減や心理的な支援ができることが多くの研究で示されています。たとえば、2011年に発表された研究では、がん患者に対して音楽療法を行った場合、痛みや不安の緩和が見られたと報告されています。
自閉症スペクトラム障害への効果のエビデンス自閉症スペクトラム障害の人たちに対して音楽療法を行うことで、社交的なスキルの向上や不安の緩和が報告されています。たとえば、2013年の研究では、自閉症スペクトラム障害の子供たちに対して音楽療法を行った場合、社交的なスキルや自己表現の向上が見られたと報告されています。

これらの研究から、音楽療法が様々な健康上の問題に対して有効な治療法であることが示唆されています。ただし、まだまだ研究が進んでいる分野でもあり、私たちも日々努力しています。